スーパーに行くと必ず並んでいるきゅうり、自炊でも外食でも様々なシーンで活躍しますよね。
パリパリで瑞々しい食感が美味しいのが特長ですが、たまたま食べたきゅうりが苦かったら?もしかして腐っているのでは…と不安になるかもしれません。
今回はきゅうりが苦い!
食中毒になるのか、苦味の原因やその取り除き方、腐ったきゅうりの見分け方もご紹介。
きゅうりで食中毒になるのを防ぐ方法も解説するので参考にして下さい。
苦いきゅうりは食中毒になる?
結論から言うと、苦いきゅうりは食中毒にはならないのでひとまずご安心下さい。
なぜなら、腐っているからきゅうりが苦いというわけではないからです。とは言っても、調理したきゅうりをいざ食べてみると苦い!となると不安になりますよね。
きゅうりの苦みの原因を知れば、その不安は解消されるかもしれません。
きゅうりの苦味はなにが原因?
きゅうりの苦みは「ククルビタシン」というステロイドの一種が原因です。このククルビタシンはウリ科の植物に含まれており、きゅうりの他にもメロンやスイカに含まれています。
このククルビタシンは微量なら特に味に変化はもたらしませんが、量が多くなると苦みが増える性質があるのです。またこのククルビタシンは、きゅうりの成熟とも関連はないので、「苦み=腐っている=食中毒」と考える必要はありません。
少しの苦味ならば問題なさそう
少しの苦み程度であれば、食卓に出しても問題ありません。
前述の通り、食中毒の心配はありませんし、苦みが気になる場合は濃い味付けにする等調理方法を変えるだけで解決するでしょう。また苦味があるからと言って、食感が変わるわけではありません。
逆に苦味や渋みを好む傾向にある方は美味しく食べられる場合も。過度に拒絶反応を示す必要はなさそうです。
苦味成分ククルビタシンが増える原因
きゅうりに含まれる苦味成分であるククルビタシンが増える原因はいくつかあります。
食中毒の心配はないとわかっても、なぜ苦味があるきゅうりと、ないきゅうりに分かれてしまうのか気になりますよね。
原因はいずれも購入後の保管方法というよりは、購入以前の栽培方法や環境に因るところが大きいので、参考程度に確認しておくと安心して食卓に出すことが出来るでしょう。
栽培中の温度が低すぎた
きゅうりの栽培中に温度が低すぎるとククルビタシンが多く分泌されてしまいます。
きゅうりは基本的に夏野菜ですが、今はハウス栽培などで1年を通して栽培が可能です。
栽培中の肥料が多すぎた
きゅうりの栽培中の肥料が多すぎることもククルビタシンが増える理由の1つです。
きゅうりの肥料には窒素・リン酸・カリが主に含まれており、特に窒素が多く含まれた肥料を使うときゅうりの中のククルビタシンが増えてしまいます。
また家庭菜園などで長年きゅうりを同じ土で育てている場合は、土の中に肥料に含まれている窒素が堆積し続けていて、その窒素がククルビタシンに影響を与えていることもあるので注意が必要です。
栽培中に水分が不足していた
きゅうりの栽培中に水分が不足していた場合もククルビタシンが増えます。
きゅうりはその97%が水分で出来ていると言われるほどで、栽培中も多くの水分を欲する野菜です。
晴天が続いて土や芽が乾燥しているときに水を与えないのは、きゅうりにとって大きなストレスで、これがククルビタシンの生成に関係あると言われています。ストレスが多いと苦味が増すというのは、何ともイメージしやすいですね。
個体差
人間に個性があるように、きゅうりにも個体差があります。きゅうりの苦味もこの個体差に含まれるのです。
栽培中に前述のような不具合がなくても、元々苦味が強い個体・弱い個体という違いがあるため、残念ながらどんなに気を付けて栽培しても苦味は生じ得ます。
苦味成分ククルビタシンは元々きゅうりに含まれており、微量であれば苦味は感じない場合がほとんどです。
きゅうりの苦味を取り除くには?
きゅうりの苦味を取り除く方法をいくつかご紹介します。
苦味の強いきゅうりに当たってしまった場合、それでも美味しく食べられる方法を知っておくだけで便利です。苦味が苦手な方だけでなく、小さいお子様がいる家庭でも重宝するはず。
きゅうりの旨味や食感を損なわない、簡単で美味しい調理方法ばかりなので、今日からすぐに試せますよ。
塩もみする
きゅうりを塩もみすることで、水分と一緒に苦味成分を出してしまう方法です。
きゅうり内部の維管束が壊れて、苦味成分と水分が流れ出ます。塩もみした後は、レタスやトマトと一緒に盛り付けてサラダにするなど、そのまま食べるのがおすすめです。
両端のヘタを切る
きゅうりの両端のヘタを切ることで苦味成分を取り除く方法です。
この白い泡の正体が苦味成分のククルビタシン。この方法だときゅうりに含まれるアクも同時に抜けるので、雑味がなくなって美味しくきゅうりが食べられます。
加熱して食べる
きゅうりを加熱して食べると苦味が飛びます。
きゅうりと言うと生で食べるイメージが強いかもしれませんが、炒めたり煮たりすると味だけでなく食感も変化して、実はとても美味しいです。
輪切りしたきゅうりをお味噌汁の具として入れたり、かつお節や昆布と一緒に甘辛く炒めればご飯のお供としても大活躍間違いなし。
味付け次第で苦味は全く気にならなくなるので、きゅうりが苦手という方にも試してみる価値はあるかもしれません。
腐ってる?!こんなきゅうりは食べない方がいいかも
苦味のあるきゅうりは腐っていませんが、では実際にどんなきゅうりは腐っているのか気になりますね。
きゅうりが腐っているかどうかの見分け方はいくつかあります。きちんと見極めて食べる前に判断しましょう。食中毒を予防する第一歩です。
しなびている
きゅうりが全体的にしなびているものはすでに成熟しきっています。掴んだ時に柔らかく感じたり、皮にシワが寄っている場合は要注意です。
きゅうりの中の水分が抜けて行っている状態なので、食べたとしてもきゅうり本来のパリッとした食感は楽しめません。購入後すぐにきゅうりを食べない場合は、水分量が減ってしまう前に調理してしまうように気を付けてチェックしましょう。
液体が出ている
きゅうりから白い液体が出ている場合はかなり腐敗が進行している状態です。
きゅうりは成熟しきると、しなびて柔らかくブヨブヨした感触になり、そのうちぬめりが出てきて、その後に白い液体が出てくることがあります。
液体が出ている部分を切り捨てて、他の部分を加熱調理したとしても安全のために食べない方が良いでしょう。嘔吐や下痢など食中毒の主症状が出てしまうことがあります。
断面が黄色や茶色
きゅうりを切ったとき、断面が黄色や茶色に変色しているものは腐ってしまっています。
変色する際はヘタの部分から始まることが多く、大体の場合は切り分けたときにヘタだけでなく内部まで変色しているのです。
最初は黄色っぽい断面ですが、進行すると茶色になっていきます。見た目にもまず食べようとは思えない状態であることがほとんどです。
異臭がする
きゅうりが腐った時の異臭にも、段階によっていくつか種類があります。
まず最初はツーンと鼻を刺すような臭い。それが徐々に酸っぱい酸味のある臭いに変わり、だんだん明らかに腐ったような腐敗臭がしてきます。またカビ臭く感じる場合も。
異臭を感じた場合は、たとえ初期の段階であっても食べない方が賢明です。
そのまま冷蔵庫に入れておくと、他のものに臭いが移ってしまう可能性もあるので、なるべく早く処分しましょう。
きゅうりで食中毒になるのを防ぐには?
きゅうりで食中毒になるのを防ぐ方法は大きく分けて3つあります。
きゅうりが腐っていない場合でも、食中毒の可能性はゼロではありません。免疫力が弱っているときなど人やタイミングによっては同じものを食べても食中毒の症状が出てしまうことも。
買ってきたばかりのきゅうりでもきちんと対策をすることが大切です。
生で食べる場合はよく洗う
きゅうりを生で食べる場合はよく洗って下さい。
水洗いすると栄養分が溶け出してしまうからと、特に生野菜の水洗いを少ししかしない人がいますが、これは間違いです。
家庭で水洗いしたくらいでは栄養分は逃げませんし、洗わない方がかえって食中毒の原因になるなどリスクが高くなります。
残留農薬だけなく、輸送の過程で様々な人やモノが触れる機会が多いので、きちんと洗ってから食べましょう。野菜用の洗剤などもスーパーやドラッグストアで買えるので、気になる方はこちらも使うと効果的です。
調理後は早めに食べる
きゅうりを調理した後は、早めに食べてしまいましょう。
きゅうりは水分が97%が水分で出来ているほど、水分が多い野菜です。水分が多いと、どうしても腐敗も早くなってしまいます。
きゅうりを入れたおかずは作り置きには不向きなので、なるべくその日のうちに食べるようにして下さい。お弁当に入れる際は炒めて水分を飛ばしたり、抜けた水分を吸収してくれるかつお節と一緒に調理するなど工夫が必要です。
調理器具や手を良く洗う
食中毒予防の基本中の基本ですが、調理器具や手は良く洗う習慣を付けましょう。
調理器具は野菜だけでなく、肉や魚などあらゆるものに生で触れる機会があります。特に包丁やまな板は熱湯消毒や除菌剤を使用する、または複数所持して物によって使い分けるのがおすすめです。
手洗いも通常のハンドソープではなく、キッチン用のものを使いましょう。除菌効果だけなく、生魚などの臭いが手に付くのを防いでくれます。
きゅうりが苦く感じる時、食中毒になるのかどうかを解説しました。
- きゅうりの苦味成分と腐敗は関係ない
- きゅうりの苦味を取り除くには塩もみや加熱がおすすめ
- 腐ったきゅうりからは白い液体が出たり変色したりするので要注意
サラダや付け合わせなど料理に彩を添えてくれるきゅうりは、安価で年中手に入るため食卓の人気者です。
食中毒はきちんと予防しながら、なるべく新鮮なうちに美味しくきゅうりを食べて免疫力もアップさせましょう!