きんぴらごぼうや麻婆豆腐などに辛さを与える唐辛子。
食欲増進の効果がある唐辛子は、夏バテで食欲が湧きにくい暑い時期にも、身体を温めたい寒い時期にも活躍します。
乾燥させた輪切りタイプのものや粉末状のもの、夏には生の唐辛子がお店に並び、料理によってそれぞれ使い分けることができます。

辛いもの好きには欠かせない唐辛子ですが、代用できるものはあるのでしょうか?
今回は唐辛子の代用品や、代用に向いていない調味料などを紹介します!
唐辛子の代用

唐辛子は辛いものと辛くないものがあります。
実は、ピーマンやパプリカ、ししとうも、辛みのない唐辛子の一種です。
辛いものには辛み成分のカプサイシンが多く含まれています。
こちらでは、カプサイシンが多く含まれている、辛い唐辛子の代用品をご紹介します!
鷹の爪
鷹の爪は唐辛子の代用として使うことができます。
日本では乾燥させた鷹の爪が多く流通している為、「鷹の爪=乾燥している唐辛子」と思っている人も多いかもしれません。
実は鷹の爪は唐辛子の品種名であり、種類がたくさんある唐辛子の中の1つなので、乾燥していない鷹の爪も存在します。
乾燥している鷹の爪を使用するときには、量に注意しながら加えましょう。
チリペッパー
チリペッパーも、唐辛子の代用品として使うことができます。
チリペッパーは、乾燥した赤唐辛子を粉末状にしたものです。
こちらも強い辛みが特徴で、粉末なので料理全体に辛さが広がります。
また、カイエンペッパーもチリペッパーと同じスパイスです。
名前が違うだけで内容に違いはなく、カイエンペッパーも唐辛子の代用として使うことができます。
ハラペーニョ
緑色のハラペーニョも、唐辛子の代用として使うことができます。
ハラペーニョは完熟すると赤くなりますが、一般的に完熟前の青唐辛子の状態で流通しています。
ピクルスに使われている青唐辛子もハラペーニョです。
ハバネロ
ハバネロも唐辛子の代用として使うことができます。
ハバネロは強い辛さが特徴の唐辛子です。
辛さは”スコヴィル値”という値で表すことができ、辛さが控えめなハラペーニョのスコヴィル値は2500~8000SHU程度と言われています。
一方ハバネロのスコヴィル値は、25万~45万SHUで、ハラペーニョの100倍近く辛いことがわかります。
使用量には特に注意が必要なスパイスです!
七味唐辛子
七味唐辛子も、唐辛子の代用品として使うことができます!
七味唐辛子には、赤唐辛子の他に山椒や陳皮、麻の実、黒ゴマ、生姜などが含まれており、豊かな風味と程よい辛さが特徴です。
唐辛子に比べて辛さが控えめですが、様々な香辛料が含まれているので、たくさん入れると七味唐辛子の風味が強く出ます。
他の代用品と同様、加減を見ながら加えましょう。
豆板醤
豆板醤も、唐辛子の代用で使うことができます。
豆板醤は、ソラマメや唐辛子を主原料とした発酵調味料です。
大豆やごま油などが含まれ、辛さだけでなく旨味やコクも出ます。
辛さを加える役目は果たしますが、唐辛子とは違った風味に仕上がるでしょう。
チリパウダー
チリパウダーも、唐辛子の代用品として使うことができます。
チリパウダーは唐辛子がベースで、クミンやパプリカ、ニンニクなどのスパイスやハーブがミックスされています。
唐辛子が含まれていますが、これまでにご紹介した代用品に比べると、辛さは控えめです。
唐辛子の代用品を使うときの注意点
唐辛子の代用品には、唐辛子だけでなく複数のスパイスが合わさっているものもあります。
唐辛子以外のスパイスが風味や味を変えてしまうこともあるので、使うときに注意が必要です。
代用品を使うときの注意点をご紹介します。
風味の強い調味料は量に気をつける
七味唐辛子やチリパウダーは、ベースの唐辛子の他に様々なスパイスが含まれています。
どちらも辛さはありますが、同時に風味も強く感じられます。
辛さを出したいからと多く入れてしまうと、その分風味が出てしまい、料理の仕上がりに影響してしまうので、加える量に気をつけましょう!
料理のテイストによって代用品を使い分ける
唐辛子の代用品は、料理によって使い分ける必要があります。
ハラペーニョは辛みだけでなく酸味もあり、チリパウダーには様々なスパイスの風味が感じられます。
酸味や風味が強いこれらの代用品は、濃い味付けのメキシコ料理や洋食に合い、シンプルな味わいの和食には不向きです。
鷹の爪や七味唐辛子は和食に向いており、素材や出汁の旨みを邪魔せずに、ピリッとアクセントを加えます。
辛いけど…こんな調味料は唐辛子の代用には不向きかも
辛さが特徴の調味料の中には、唐辛子の代用に向いていないものもあります。
料理の仕上がりを全く変えてしまう場合もあるため、辛いからといってむやみに使うことは避けたほうが良いでしょう。
しかし、調味料の特徴を活かして代用できる場合もあります!
タバスコ
タバスコには、辛みとともにクセのある酸味があります。
主にピザやパスタなどに使われ、辛さを出すだけでなく、味に変化ももたらす役割のあるタバスコ。
クセが強いため、和食など酸味がない料理に加えてしまうと、タバスコの味が勝ってしまいます。
ラー油
ラー油は基本的に油なので、唐辛子とは違った仕上がりになってしまいます。
ラー油はごま油に唐辛子を加えて加熱した、辛みのある油です。
使える料理はとても限られてしまいますが、アヒージョやペペロンチーノなど、オイル系の料理との相性は良いです!
コチュジャン
コチュジャンは辛さだけでなく、糖の甘さも強いため、唐辛子と同じ用途では使いにくいでしょう。
コチュジャンは、米や餅米を麹で糖化させて、唐辛子を加えた発酵調味料です。
甘辛い料理に使われることが多く、主に韓国料理などで活躍します。
韓国料理に更に辛さを加えたいときには、問題なく使えます。
唐辛子の代用品はどんな料理に使える?
唐辛子がなくても、代用品で料理に辛さを加え、更に風味を加えて美味しく仕上げることもできます。
代用品で作ることができる料理をご紹介します!
ペペロンチーノ
ペペロンチーノには、チリペッパーやハラペーニョが代用で使えます。
チリペッパーを使うと、全体に辛さが広がり、ほんのりと色付いて赤いペペロンチーノになります。
にんにくとオリーブ油を加熱したフライパンに、スパゲッティを加えて、全体にからまったタイミングでチリペッパーを投入しましょう!
ハラペーニョを使えば、爽やかな風味で辛さが抑えられたペペロンチーノになります。
ハラペーニョは、フライパンににんにくとオリーブ油を熱するタイミングで入れましょう!
漬物
漬物には鷹の爪が使われていることが多いですが、七味唐辛子も代用して使うことができます。
漬物に唐辛子が乗せられている理由は、防腐や見栄え、風味付けのためだと言われています。
唐辛子のピリッとした辛さがアクセントになって、より漬物の旨みを感じることができます。
様々な香辛料が合わさった七味唐辛子を入れれば、より風味豊かになり、白菜やカブなどシンプルな色の漬物にかけると、鮮やかな見栄えになります。
アヒージョ
アヒージョには、七味唐辛子やチリパウダーがおすすめです。
オリーブ油とにんにくで食材を煮込むアヒージョは、にんにくの香りが特徴のスペイン料理です。
チリパウダーには、にんにくなどのスパイスが含まれているので、アヒージョをより風味高くし、程よい辛さのアクセントを加えます。
きんぴらごぼう
きんぴらごぼうは鷹の爪で辛さを出すことが多いですが、七味唐辛子やチリペッパーでも代用できます。
七味唐辛子は和食との相性が良く、お酒のおつまみにもおすすめです!
チリペッパーも、食材の味を邪魔せずに辛さを加えることができるので、ピリッとした辛さをきんぴらごぼうに加えたい時に便利です。
どちらもきんぴらごぼう全体に味が付くため、加減を見ながら加えましょう!
唐辛子は、
・鷹の爪
・チリペッパー
・ハラペーニョ
・ハバネロ
・七味唐辛子
・豆板醤
・チリパウダー
で代用することができます。
唐辛子ベースに様々なスパイスが含まれている代用品は、料理の風味が変わることもあるので、使用量に注意が必要です。
また、唐辛子が含まれているからといって、料理によっては代用に向いていないものもあります。
タバスコは辛みだけでなく酸味も強く、ラー油は料理を油っぽくしてしまい、コチュジャンは糖の影響で甘さがあります。

それぞれの特徴を把握した上で、代用しましょう!